オリジナルソケットは多額の制作費が問題となることが多く、そのために企業内ではこれを効果的に利用する目的を探すことが少なくありません。この目的の中で最も多いのが検査に利用する検査治具であり、設計部門が動作確認に使用していたものであることから非常に高い実績があることや、利用しやすいと言うイメージがあるため最適な方法と言われることも多いものです。しかしオリジナルソケットを検査治具にするためには、様々な検査特有の項目に注意をする必要があります。その中でも特に意識をすることが大切なのは、検査の効率です。
設計部門がオリジナルソケットを制作する場合には、すべての要素を確認することが必要であるためすべての信号の確認の機能を網羅することが一般的なのに対し、検査治具は必要最小限の確認項目で効果的に検査を行うことによって、その作業の効率を高めコストをできるだけ削減しようとする考え方に基づくことが少なくありません。この場合にオリジナルソケットのようなすべての機能を確認できる検査治具であった場合、作業者が混乱し必要な端子を見つけるのに手間取るため、コストが増大してしまうといった問題を生じることになります。オリジナルソケットをそのまま検査治具とする事は検査部門でのコスト増大につながるため、この点には十分に注意をすることが必要です。設計をする際にはこれらの要素を十分に考慮し、必要に応じて簡単に加工をすることができるなど様々な対策を事前に講じることで、コスト削減を図ることができます。